○多くの場合、まず僧帽筋が硬くなります。
肩が固まってガチッとなりその重さが腰に負担をかけ腰痛などの症状に進みます。
慢性の腰痛の患者さんの90%が肩こりを併発しています。
腰痛の症状が強いと肩こりを感じてない人も多いです。
そういう患者さんは治療を進めて腰痛が落ち着くと肩こりを訴えます。
肩と腰は互いに深くに関係しています。
○身体のバランスがとれている時は脊柱の中心に負荷がかかってます。
この状態では筋肉にもよけいな負担がかからず弛緩しています。
例えればコマが勢いよく回転している状態です。
負荷が中心にかかり立っています。しかしコマが止まる時はバランスを崩し
グラグラしてきます。
身体がバランスを崩す時もこれによく似ています。
背骨がズレ始めると負荷がうまく中心にかからなくなります。コマと違って
倒れるわけにはいかないので筋肉が緊
張して支えます。そのために肩が凝ったり腰が痛くなったりするのです。
ですから僧帽筋は指標として有効なのです。
○この僧帽筋の状態は患者さんの症状と疋比例します。それだけ身体の状態を反映します。
施術者は患者さんの僧帽筋の状態がどう変化したかを常に把握していなくてはいけません。
だから患者さんは毎回が初診なのです。
もし僧帽筋が硬いのに何の症状もない患者さんがいても体には何か負荷がかかっています。
施術者はそれが何かを考え治療しなくてはいけません。
○治療が進み身体の状態が良くなってくると当然僧帽筋も緩んできます。
そんな時は検査をより丁寧にし硬結の芯を見つけなくてはいけません。
身体が悪い時は大きくつまんでも硬結を見つけられますが状態が良くなると
分かり難くなります。
小さくつまむ事でより丁寧に検査します。
この検査が正確に出来ないと状態が良くなってきた患者さんに対応できなくなります。
レギュラーチェックで通っている患者さんに対応できるように検査の精度は
高めていく必要があります。
○治療が進んでいくと脊柱も良い状態に安定してきます。
それに伴い僧帽筋も良い状態になり圧痛がはっきり出づらくなってきます。
その時は術者の指の感覚を優先させても良いですし、その他の検査との
総合的診断でも良いです。
検査の精度を上げても分かりにくい状態になることもあります。
そのために多くの検査をするのです。
憎帽筋検査 臨床2